君が好きになるまで、好きでいていいですか?


「ねぇ、その合コン男もう一人参加出来ない?」


「へっ…………? えっ!!」



その声の主に歩美も万由も、野崎さんさえ驚いた


「もっ、もう一人って………後藤課長がですか?」

他に周りには誰もいないことを確かめて、野崎さんが目を丸くする

「そう、ダメ?」

「いいぃぃっいや勿論、大歓迎です。なんなら女の子もう2、3人増やす事もできます」

そう言って興奮する野崎さんに、ニッコリと笑顔を返す

「増やす必要はないよ。俺の席は沢村さんの横、ずっとキープさせといてくれればいいからね」

「へっ?」

「はぁっ?!な、ななっにを………」

万由が後藤を見上げて睨みつける

一瞬その雰囲気に、周りが何かとザワザワしだした



「…………信じられない」

「万由っ!!」

そのまま食堂の席を立ってプイッと走り出ていった

「沢村さんとって……えつ? 課長っ?!」

万由に続いて、その後に後藤もその場からいつの間に消えていた


「あれ?今、どうなってるの?」

野崎さんが???状態で頭を傾げる


「ああ、野崎さん。今の全部なしね。頑張って後一人参加の女の子捜してね」

そう、歩美が彼女の肩をポンポンと叩いて同情する。

「えっ?えっ?無しなの今の話…………」







「沢村さんっ」

ズンズンと先を歩く万由に追い付いて、後藤が腕を掴む

万由はそれを直ぐに払い退けた

「会社でも、どこでも話し掛けないで下さいっ! 何なんですか一体………」

「俺の勝手だって言ったろ。…………迷惑なのは分かってる」

払い退けられた手を、胸まで上げて両手で
降参の形を示す
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