君が好きになるまで、好きでいていいですか?

「かまってるだけじゃない事くらい、分かるよ。私と付き合いだした後だって、あの人と今までと同じようにしてるでしょ。別れてたって始めだけでしょっ!」



『大概の男は恋愛してても自分の生活習慣を変えないもんなんだよ。』

そうゆう意味じゃないだろうけど
でも、そうなのかもしれない………………


「………万由は、俺と別れたいの?」


「……………っ」


静かに『別れる』と言うワードが出てきた慧斗に、眉を歪ませてふるふると首を振った

別れたくはない…………でも、このままじゃぁ

だんだんと目頭が熱くなって、堪えきれずに目を擦った


慧斗の小さい溜め息をつく声がした


「万由、一旦出ないか?ここじゃ落ち着いて話せない………」


万由達の様子は、他から見ても別れ話の最中に見えるのだろう、周りのテーブルからチラホラと興味本意な目が向けられる


そのまま立ち上がると、慧斗に手を引かれカフェを出た。


外はたまに、強い風が吹くが日差しの暖かさで和らぐ丁度いい心地良さだった

前に見た桜が咲いていた、慧斗の会社の前にあった公園でベンチに座った


「慧ちゃん……私はね……………」

私はずっと我慢してきたんだよ。だって、慧ちゃんの彼女は和音さんだったから………

でも、今は…………慧ちゃんを独り占めしていいはずなのに、どうしてそれが出来ないの?


言いたい事がのどにつまってまま出てこない
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