君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「万由、和音の事は出来れば気にしないで欲しい」
「え………?」
隣で座りながら真っ直ぐ万由の顔を見据えた
「…………ずっと一緒にいただろ万由と俺。
俺は万由と最近付き合い始めたなんて思ってないよ。万由とはずっと恋人として付き合ってると思ってたし」
…………ずっと? 付き合ってた?
「これからも俺にとって万由だけは一緒にいる存在なんだから」
「…………慧ちゃんには今までに何人か彼女がいたじゃない。」
ずっと私は幼馴染みから抜け出せないでいたのに…………
はぁっ……と溜め息をつく隣の慧斗を見上げる
「彼女って………別に真剣に付き合ってた訳じゃないよ。俺、万由を優先してただろ?」
…………優先、してた時もあったよ確かに。
それが原因で何人かの彼女に因縁付けられた
「……………」
「和音とは始めからドライな関係だったんだ。万由の事だってちゃんと理解してたし、」
私の事? 理解してれば言い訳じゃないし
私はあの人の存在すら気になるって言うのに?
「…………じゃあ、今まで通りって事?それじゃあ何も変わらないじゃないっ」
「変わらないよ。気持ちは同じだから」
また誤魔化すの?無しにして、チャラにして終わり?
「違うよっ慧ちゃん………だって、和音さんとも変わらないって事でしょっ?そんなのおかしい…………」
「……………」
意味が分からないし、理解出来ないそれが和音さんとの関係を続ける理由にはならない。
顔をしかめたまま、首を振る
「私には…………慧ちゃんにとって和音さんの方が特別にしてる様にみえるよ」
言いたくなかったのに…………そんな事
「俺は、万由の家族みたいな家庭を作るのが理想なんだ。明るくて、笑いあって常に一緒にいられる家庭…………和音とはそうゆう事はお互い望んでないんだ、だから……」