君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「…………明るいうちの家族?」
確かにうちの家族は慧ちゃんところと比べたら普通だけど…………
「和音も、俺と同じ親に恵まれなかったから、だからあいつは結婚には後ろ向きだし……あいつとは俺の理想の結婚は出来ない」
「結婚って…………私だってまだ付き合ったばかりなのに」
やっと付き合いだした途端、こんなに滅茶苦茶なのに…………
「万由とはずっと付き合ってたつもりだって言っただろ。この先も今までのまま万由は万由のままでいてくれたら…………」
私のまま?
「無理だよ………」
だって、和音さんの存在で私だって壊れたもの………
「……………私」
「万由?」
急に黙り込む万由の俯いた顔を覗き込む慧斗
「……………合コンに行こうとした。慧ちゃんが和音さんと一緒なのが耐えられなくて、同じように浮気してやろうって思って………」
「…………っ」
「私だって、慧ちゃんの理想通りなんかじゃない。和音さんの事を気にしないでいるなんて出来ない」
慧ちゃんの彼女じゃなかったから和音さんの存在に我慢する事ができたんじゃないっ
「私に和音さんとの事が分からないのと同じように、私にだって慧ちゃんの知らない事だってある」
「万由………万由の気持ちは変わっちゃったのか?」
万由の目に涙が溜まっていきながら、それを見せないで大きく首を振った
違うっ、違うよ………私じゃない。和音さんに出会った慧ちゃんが変わったんだよ
ずっと私を見ててくれた慧ちゃんが和音さんをほっとけなくなったんだ