君が好きになるまで、好きでいていいですか?


「でも使えるだろ? 会社事情とかには重宝されるんだけど」

「……………」


しかし、いきなり後藤課長の話とは………


とろりとした玉子のオリジナルオムライスが看板メニューで、独自創作のソースにスープと一口小鉢が一品付いて割りとリーズナブルな店で

たまに万由たちがランチをする中でもお気に入りの店


「沢村さん、ケーキ奢ろうか?」

「結構です」

……………やっぱり軽い。でもなんか高石さん楽しそう




「そんなに忙しいの? 今1課って」

「後藤課長がね。あの人仕事自分で抱え込むとこあるから」


ああ、それ何となくわかる


「只でさえ山吹常務に目をつけられてるからな…………娘との縁談断られて」

「あの秘書課の山吹薫との? でもあの人まだ諦めてないでしょ」

二人のポンポンと運ばれる会話に、少し聞き遅くれそうになる

「………………」


「山吹常務も、やり方がえげつないんだよなぁ………どうしても浅野主任と後藤課長に失敗させて課長を自分に取り込みたいって意図が丸出しだし」

「常務がどうしてそこまで………?」


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