君が好きになるまで、好きでいていいですか?

慧ちゃんと別れてから、何となく屋上へも足が向かなくなった


時期的に雨も多く、天気が崩れる事もあって今日も止めておこうと思いながら、いつの間にか行かなくなっていた


屋上でのキスの話題も、あれは見間違いだったということでおさまり

いつの間にか、倉庫での事も
何もなかったんじゃないか………なんて自分でも思おうとしていた


それくらい、慧ちゃんと別れた後もその事を引きずって、正直いっぱいいっぱいだった

『話さないと沢村さんが前に進めないでしょ…………大丈夫、一人じゃないから』

そう言われて、慧ちゃんからの電話をとることにしたんだっけ………



結局別れちゃったんだけど

あの時から何となく時間がまだ止まったまま、前になんか進めない


鳴らなくなった携帯が寂しくて、机の上には置かなくなっただけ

こうして私も何もない毎日を過ごしているって事は、
きっとあの二人も前と変わらない日々を送っているんだろうなぁ……
そう思うと、まだ自然と目頭が熱くなる


もうすっかり外は猛暑な毎日が続いているというのに





「って事で、時間と都合はそっちに合わせるから」


…………ん?

二人の会話を途中から全く聞いてなかった

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