君が好きになるまで、好きでいていいですか?
結構近くにいた後藤と万由の間に割って入り、後藤を睨みつける


「何ですか、あなたはっ?! この子に何か用ですかっ?!」

外から万由の悲鳴が聞こえて、窓を見れば大男に万由が襲われているように見えて、急いで会社から飛び出してきた慧斗


万由を自分の背中に隠す様にその目の前の男から後ずさって離れる

「慧ちゃん 違うの、後藤さんは会社の人で…………」


「…………えっ?」


後藤を睨みつける慧斗を止めるように、背中から万由が服を引っ張る

目の前にいる後藤が慧斗に軽く頭を下げる


「偶然ここを通りかかって、喋ってただけだから。ごめんなさい、心配かけて………」


「…………」

窓際から和音さんがこちらを見ているのが感じる

「慧ちゃん、終わった?」


「…………いや、やっぱりまだかかる。家まで送るから、今車借りてくる」


やっぱり……………ここまで来たけど、あの人は慧ちゃんを貸してくれないかぁ…………


「いいよ、駅近いし電車で帰る。」

そう言うとふぃに後藤と目が合った


この人と駅に一緒に行くのは嫌だなぁ…………


「大丈夫、そもそも俺の仕事じゃないんだから、少し抜けたって。あ、今いる後輩に車は運転させるから」

さっきの居酒屋でビールを飲んでいるため、他の人にも迷惑をかけてしまうのは申し訳ないんだけど………

慧斗は万由の肩を引き寄せ、強引に会社の中へ連れていく


「沢村さんっ」

振り返ると、後藤が手を振っていた


「またね、月曜日に」


「あ…………はい、お疲れ様でした」


「……………」






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