君が好きになるまで、好きでいていいですか?

「…………なんか俺、睨まれた?」

「たぶん私の存在に気付いてなかったからよ」

窓際近くに座る高石と万由
その隣に座っていた歩美

後藤の視野に入ったのは、高石と万由が二人でランチをとる様子に見えたのかもと言う歩美


「それが、どうゆう事…………?」


まだよく理解出来ない高石


「そうゆう事なの」


「?」

ゆっくりと首を傾げる




店を出て3人で会社に向かう

ロビーで歩美が立ち止まる

「万由、悪いけど先に行ってて。私まだ少し高石と話があるから」

そう言って高石の腕を引っ張り万由から離れていった

「えっ、あ……うん」



手を引いて、歩美は高石をロビーの休息コーナーまで連れ込んだ

「なに話って木原………もしかして告白?」

「うるさい、違うわ黙って」

歩美の視線の先を見ると、エレベーターに向かう万由の先に一人後藤が立っていた



「あ…………」

「………………」


一台のエレベーターがロビーに着いて、乗り込んでいく後藤

それに一歩躊躇いながら引いて乗り込む万由


はぁっ……と溜め息をつく歩美

「課長と沢村さん? 何、沢村さんて課長が好きなの?」

「バカねぇ………逆よ、逆」

「逆って…………え、マジ?」




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