君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「俺の仕事の心配してくれるのは有難いが、まずは自分の仕事の荒らさを直せよ。お前の適当過ぎる癖は直ぐバレるからな」

前を歩く後藤が、いつもならそんな風には言わない小言を口にしながら、差し替えた資料にも同じように書き加えている様子に

高石がさりげなく口角を上げた

少し前から風当たりがなぜか自分にだけ厳しくなった理由を、歩美に教えてもらった話

核心はないがもしそうなら面白い


「課長って結構分かりやすいんですね………」

「はぁ?」

顔を半分高石に向ける


「いえ、すみません。でもやっぱりいつかパンクされても困るんで、この打ち合わせは俺主体でお願いします。
企画の要求は出来るだけクライアント主導で持っていきますから少し任せてください。」


「………あ、ああ」

急にハッキリとそう言う高石に「そうだな……」と他に返す言葉がなくなった

「…………」


「で、少し息抜きしませんか? 課長」

会議室の前で一旦停まって話題を変える高石

「飲み会しましょう。人数集めてくれって言われてるんですよ、課長のスケジュールに合わせますから…………」

「いや……飲み会だったら別に俺がいない方がいいだろ。お前らだけでやれば」


少し突飛な話題に話を聞く耳持たずに向きを変え会議室のドアを開けた


人数集めって……高石の事だ、合コンだろどうせ

「ちゃんと女の子にも声掛けてありますから」

…………ほらみろ

「いや、いい。そうゆうのは………」

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