君が好きになるまで、好きでいていいですか?
遅れてすみません、と打ち合わせ相手の企画部の面々が入ってきた
「あ…………」
企画部の男性社員の後から万由も続いて正面に座る
「今回の案件の、アシスタント事務としてついた沢村です。」
そう言って、話し合いの打ち合わせ進行をホワイトボードに書きながら、メモ録りに徹していた
「……………」
打ち合わせ前に話した通り高石主体で、たまに助言を入れながら話し合いは問題なく終了した
「会議室の片付けはこっちでやりますから」
そう言って万由がホワイトボードを消しだすと、打ち合わせ途中に後藤が書き加えた上の方の文字が届かず苦戦する彼女の姿が目についた
「悪い、上の方は俺が消すからそれ貸して」
そう言って万由の持つイレーザーを取り上げた後藤
「…………すみません。ありがとうございます」
机の資料ファイルを片付ける万由に高石が近寄って話かけた
「飲み会の話、営業部は今週特に忙しいみたいだから、来週後で進めていいか木原に言っといてくれる?」
「あ、はい。でも大丈夫なんですか?本当に皆さん残業続きなのに………」
後藤がホワイトボードを消しているそのそばで、資料をまとめるのを手伝いながら普通に聞こえるような声で話す高石
「大丈夫、大丈夫、息抜きは必要だし。沢村さん目当ての営業独身者が意地でも時間空けるって楽しみにしてたから」
「…………っ!!!」
後藤がボードを消しきってイレーザーを置いたその場で固まった