君が好きになるまで、好きでいていいですか?



「万由、さっきの人って居酒屋で言ってた『告白してきた人』?」


「へっ?」

結局、慧斗の会社の人に車を運転してもらって、家まで送って貰うことになった。

二人で後部座席に座りながら、ふぃに慧斗が聞いてきた

「ああっ……………うん」

「ふぅん…………会社でもよく喋ったりするの?」


万由がブンブンと首を振った


「告白された時だけで、今日初めてだよ。全然喋った事なかったから………」


「ふぅん………」


「慧ちゃん?」

一瞬険しい顔になった慧斗を覗き込む

でも直ぐにいつもの優しい笑顔に戻った


「万由、この埋め合わせは今度するからね。」


「…………うん、でも慧ちゃん暫く忙しくなるんでしょ。いいよ先でも、待ってるから」


いつまでも手に入らない男に執着するのはやっぱり馬鹿なんだろうか。
いつもそう言って歩美さんに怒られる




「万由…………やっぱり今度水曜日の夜会おうか。9時過ぎに万由の部屋に迎えに行くから」

「水曜日?」

珍しい、そんな週の真ん中の日………?


「レイトショーのCarシアターに行ってみたいって言ってただろ。車、多分借りられるから」

そう言ってニッコリ笑う。


「本当?!」



「今度は絶対、約束する。」




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