君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「万由、どこ行ってたの?誰かといたの?」
歩美が戻ってきた万由を見上げてきた
席に戻って、少々火照った顔を隠しながらウーロン茶を口にした
「あ…………うん、主任に会って喋ってた」
「………そう?」
「あれ?歩美さん、高石さんは?」
総幹事の高石は、だんだんと食事より飲みに入ると各テーブルに顔を出しに行ったらしい。
「万由は今日、いつまでいる?」
そう聞かれドキッとした
『後、送って行くから。最後待っててっ』
どうしよう………
でも課長はどうせ最後はどっかのグループと二次会三次会って行かされるんだろうし………
さすがにそこに付き合う訳にはねぇ
「たぶん、これ終わったら帰る。歩美さんはまだいるんでしょ?」
「え………なんでよ」
ほら、なんだか歯に噛んだ顔してる
だってねぇ…………
「んっ? なんだろ」
飲み会が始まってもうだいぶ立つ頃、
奥の方のテーブルがなんだか騒がしい…………
ひとつのあるテーブルに、人だかりが出来ていた
そのテーブルの中に向かい合って座る
浅野主任と後藤課長 それを見守る傍観者たち
「なに?どうしたの?」
「飲み比べだよ、主任と課長の」
飲み比べ………?
みれば確かに向き合って、小さいグラス片手にお酒を次々飲んでいる
「あれ、ブランデーだろ…………もう6杯目だけど顔色変わらねぇな」
「ねぇ、なんで飲み比べなんて始めちゃったの?」
人だかりの中に高石を見付けた歩美が聞いてみたが、二人で話してた内に急にやり始めたらしい。
たぶん、浅野主任が焚き付けたんだろうが
「そんなに飲めるの?あの二人………」
「ザルだろ、酔っ払ったとこなんて見た事ないぞ誰も………特に浅野主任」
へぇ………
人混みの中から二人が見える所に顔を出した万由