君が好きになるまで、好きでいていいですか?


「あっ、おーい万由ちゃんっ」

 へっ?!

浅野が万由を見つけて手を振った為、傍観者たちが一斉にこっちを向いた

こっちこっちと手招きする


思わず首を振るが、手招きが止まらない

仕方無くテーブルの近くまで渋々いくと浅野に手首を掴まれた

「賞品決まったぁ。勝った方が万由ちゃんからのチューのプレゼント!」

浅野がそう大声を出した


「はぁっ?!ちょっ、」


傍観者たちの盛り上がる声と、女子社員たちのキャァーと訳のわからない騒ぎ声が飛ぶ

「なんだよそれっ!!」

目の前の後藤が浅野に食って掛かる


「だって、そうじゃなきゃお前本気にならないじゃんっ。 あっ、じゃあ今から参加自由なぁー。 他にも誰かやる人ー♪」

「なっ!!」

それなりにもう何杯か飲んでいるためか、浅野のテンションは高い

「今からなら勝てるんじゃないか?」

そう思った輩が3人ほど参戦を名乗り出た


万由を掴んだまま、楽しそうに追加のブランデーのボトルを頼む

「ちょっといい加減にしてくださいっ!冗談じゃないですよっそんな…………」

「大丈夫、大丈夫。勝つのは僕だからさ」

ニッコリと笑顔を見せながらそう言う浅野



イヤイヤ、そうゆう問題じゃないからぁ
なんなんだいったい

チューって、あり得ないからっ!!


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