君が好きになるまで、好きでいていいですか?



「おー!!」


不思議な歓喜が響く

……………一体どれだけ飲めるんだこの人たちは

参戦した3人は、あれから何杯か飲んだのち早くも潰れてしまい、

そのまま浅野と後藤の一騎討ち

誰も止めることなく飲み続ける二人


「くそっ……」

「………………」

その内、後藤がだいぶ潰れてきた

さすがの後藤も限界なのに対し、浅野はまだニコニコとグラスを揺らす

イヤイヤ…………後藤課長、もう無理でしょう
目が据わってるじゃない


まだ飲もうとする後藤のグラスを、思わず取り上げようと手を伸ばそうとしたら、浅野の足元の段ボールの箱に入ったバケツが目についた

なんだろ、これ…………

よく見るとバケツの中には今まさに飲んでいるブランデーが入っていた

「主任……飲んでないじゃないですか」

段ボールに入ったバケツだけ持ち上げる


「あぁ…………バレちゃったぁ」

「バレちゃったぁじゃないですよっ!
これ、ズルじゃないですかぁ!」

どうやったら、この傍観者たちの目を盗んでズルができたんだ?


「こうゆう勝負でも、当たり前に真面目にやっちゃえば負けるに決まってるだろ、相変わらずだなぁヨシは」

そう言って、前で酔って目が据わった後藤に戦略勝ちだと自慢するように笑う


周りの傍観者たちも、この結果にやれやれといった感じで解散する

全く…………どっちが勝ちなんだか

「課長、もう終わりです。主任がズルしてましたから…………課長?」
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