君が好きになるまで、好きでいていいですか?
電話を切って溜め息をついた
この時間に一緒って事はそうゆう事か?
大体、一花は離婚してから地元の実家に戻ったと聞いていたが、ここまで通うとなれば電車で片道一時間はかかるだろう
まさか先輩の所にずっと…………?
「……………」
もう、バツイチ三十路にとやかく言う親でもないか、さすがに………
***
「佳樹、ごめん別れよう」
一花からそう言われた時にはもう、俺も覚悟は出来ていた。
「…………先輩のとこに行くのか?」
この時点で、俺が先輩の事を出すとはおもっていなかったのか、少し驚きながら静かに首を振った
「実家に帰る。由さんとは付き合わない……」
「そうか………」
正直この時それを聞いてホッとした
始め先輩は、俺と一花のすれ違いをなんとかしようとしていたんだと思う
変わらない俺に、変わりたい一花が自然に先輩に惹かれていく事に、見てみぬ振りをしていた
だからこれは必然で仕方のない事だと納得した別れだった