君が好きになるまで、好きでいていいですか?

電話を切って溜め息をついた


この時間に一緒って事はそうゆう事か?

大体、一花は離婚してから地元の実家に戻ったと聞いていたが、ここまで通うとなれば電車で片道一時間はかかるだろう

まさか先輩の所にずっと…………?


「……………」


もう、バツイチ三十路にとやかく言う親でもないか、さすがに………



***

「佳樹、ごめん別れよう」

一花からそう言われた時にはもう、俺も覚悟は出来ていた。

「…………先輩のとこに行くのか?」

この時点で、俺が先輩の事を出すとはおもっていなかったのか、少し驚きながら静かに首を振った

「実家に帰る。由さんとは付き合わない……」

「そうか………」


正直この時それを聞いてホッとした

始め先輩は、俺と一花のすれ違いをなんとかしようとしていたんだと思う

変わらない俺に、変わりたい一花が自然に先輩に惹かれていく事に、見てみぬ振りをしていた

だからこれは必然で仕方のない事だと納得した別れだった

< 157 / 333 >

この作品をシェア

pagetop