君が好きになるまで、好きでいていいですか?



「第一印象から決めてましたぁっ」

「えぇとぉ……よろしくお願いしまーす。」


「これはまた驚きだぁぁっ」とテレビの中のMCがマイクを持って身体全体を奮わせている

「…………」


自宅のテレビの前で、どうしても理解出来ない男女の恋の駆け引きを見ながら眉をひそめる

…………なんでその日会っただけで、告白できて付き合う事をOK出来るの?

手まで繋いでるし………だってその女の子はさっきまで違う男の人を狙ってたのに…………


告白されれば、とりあえずそれでいいの?
付き合うってそんな簡単な事?

優しそうだったからぁとか、話が合うからぁとか………そんな理由?


このやり取りが何度も頭から離れないまま、月曜日の朝を迎えてしまった


考えた………考えたんだけど…………


慧ちゃんと付き合う時は全然考えなかった


「まだ答えが出てないみたいだね………」


「…………はい」

会社の屋上に始業1時間前に出社してここに、眉間に皺を寄せて困った顔を見せている

二人でベンチに座り溜め息をついた


「…………たぶん付き合うほど、課長の事をよく知らないからだと」

「まあ、そうだね。でも家には来たよね」


「えっ、でもそれは主任が………」


そう言いながら思わずグッと息を飲んだ

………確かに断らないでノコノコ主任についてきたのは私だ
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