君が好きになるまで、好きでいていいですか?

「社内では付き合ってる事にしよう」

「……………へ?」

今さっき後からって……………
ゆっくりって言ったじゃん

「え、それって必要ですか?」


「だって、二人で食事に行ったりした時、なんで?って聞かれるの面倒臭いでしょ。付き合ってるなら別に当たり前だし?」


「……………」

うーん、確かにそうかな、よく知りたいって言ったのは私だし

多少首を傾げるが何となく納得した

「他の人には俺たちがどんな付き合いしてるかなんて分からないんだから、そうゆう事でいい?」


「はい」


付き合ってないけど、付き合ってる事にすればいいのね。


「そうですね分かりました」と、その場は何となく理解して…………これがそんなに大変な事だなんて思わなかった。






昼休み食堂で一緒にと、後藤に言われ約束をして食堂に行くと、並んだ長机の席を後藤の分も空けて座っていた

C定食のカレーライスを持ったまま、万由を見つけて片手を挙げる後藤


「万由っ」

ザワリっと、一瞬注目を浴びた

「え…………?!」

静かに視線だけが集まる周りを気にして、肩を屈める

「あれ、木原さんは?」

そのまま真っ直ぐ、テーブルに座る万由の隣に後藤は堂々と腰を下ろした

「…………」

「あ、もしかして気を使ってくれたとか?」

そうです。歩美さんは私はいいから二人でどうぞと別の席に行ってしまった


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