君が好きになるまで、好きでいていいですか?
調べて着いたラーメン屋は、なかなか流行っている様子で、20分ほど待たされた

「………すみません。私がいきなり無理言ったりして」

「行きたい所をハッキリ言ってくれるのはいい事だよ」


嫌な顔も見せずにそう言ってくれたものの、折角食事に行くのに私ったら、よりによってラーメンなんて…………
色気もなにもあったもんじゃない




「「あ、美味しい………」」


二人の声が重なった

さすが、口コミで調べて待たされただけあって、味が極品だ

それ程広くない店内でも、回転率もいい。

お腹がすいていた事もあったけど


「こうやって、初めてのお店を調べて
来てみるのもいいかもね。」

そう言ってラーメン以外にチャーハンなどを頼む後藤
ニンニク餃子も食べようかと悩んで、「まぁ、今日は大丈夫か」と一瞬、万由に視線を落としてから注文した



繁盛時だったため、騒がしい店内でさすがに長居も出来ず食べてそうそうに店を後にした


「とりあえず歩こうか」

そう言って駅に向かって歩きだした後藤の後に続いた

街中はまだ騒然として、行き交う人も目的のあるなし関係なく止まらず流れている


このまま駅に着けば電車は反対方向
駅で二人解散になる


「あの…………どこかに寄りませんか?」

後藤の背広の裾を引っ張って足を止める

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