君が好きになるまで、好きでいていいですか?
本気でぶつからないと………
「沢村さん、ちょっといい?」
「……………はい」
来たなぁ………
いつまでも、遠巻きに微妙な噂を立てながら、こそこそとしていた女子たちがとうとう目の前に立ち憚る
「なんでしょう、御姉様方」
「貴女には用はないの、木原さん」
一緒にいた歩美さんが、その女子団体代表らしい桜井さんの前に立って、私との間を遮った
「歩美さん、大丈夫だから………」
思いの外落ち着いて見える私に歩美さんも一歩後退する
実際、こういった事は慧ちゃんの時も何度かあった
その時は向こうが彼女で、私が慧ちゃんの近くにいるのに腹を立てられたっけ…………
10代の時の嫉妬はよく平手打ちが飛んできた
『いつもいつも邪魔なのよっ!』
彼女達がそう言っていた。
あれは何人目の彼女だったっけ…………?
そしていざ私が彼女になった時、その想いに痛感した
私も………和音さんが邪魔だと思った
「………………」
あれ? 今度の場合は、なんで私が攻められるんだ?
私が後藤さんの彼女になった(ことになってる)事に対する不満?