君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「沢村さん、聞いてる?」
「あっ、はいっ」
今ここは、使われていない小会議室
終業時間後、ロッカールームから連れて来られた
ああ、たぶん後藤さんたち男性社員はこの時間、大体会議が入っていて部署にはいないんだな
私対何人かの女子軍団の代表の桜井さん
歩美さんもちゃんといるし、それほど殺気立っているわけではないようだ
「ちゃんと説明して、どいゆう経由で後藤課長と付き合う事になったのか」
「あ………いや、どう説明したらいいのか」
まだ実は返事保留なんだけど………
「あなたが迫ったの?」
それに関しては、大きく否定するように首を振った
「沢村さん確か前に好きな人がいるって、飲み会に迎えに来たのは彼氏じゃなかったの?」
そうくるよねぇ、やっぱり…………
「………彼とは別れました。後藤さんとの事はその後からです」
「……………課長から言われたの?」
言いたく無さそうにそう眉を歪ませて指摘してきた
「あ…………まあ、はい」
瞬間的に女子軍団から、息を吐くような悲痛の声が静かにざわめく
桜井が盛大な溜め息を吐く
「私だって馬鹿じゃないんだからそれくらいの事は分かるけどね」
「え?」