君が好きになるまで、好きでいていいですか?

ずっと不機嫌なまま高石を睨みつける桜井

「いや、営業部女子に沢村さんが連れていかれたって聞いたもんだから」

「だったらなによ。私が暴力でも奮うっていうの?」

近くにいる桜井の横に真っ直ぐ来る高石が彼女の肩に手を添えた

「まさか、ただ………姫が淋しがってないかと思って」


そう言って桜井の顔を覗き込む

…………姫? 淋しがる?


「勝手なこと言わないで、大丈夫よ。これくらい覚悟は出来てたからっ!」


「?」


「イチャつくなら他でやって貰える?万由も質問には答えたし、もう帰るわよ。高石」


いちゃ?


歩美が呆れたように桜井に寄り添う高石に言い放つ

「連絡悪いな、木原」


どうやら万由が連れていかれた話を聞いて、高石が歩美にメールしたらしい

「いーえ。さっさとそのあんたの女王様慰めてあげたら?長年想い続けた王子様に、とうとう彼女が出来たってトドメ刺されたんだから」


「……………」


…………どうゆう事??


不貞腐れた様に俯く桜井に、高石が彼女の頭を撫でながら笑顔を見せる


私には桜井さんと高石さんがただならぬ関係に見える
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