君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「ごちそうさまでした」
もう目を合わさない、喋らない
さっさと半分食べたお弁当をしまい、席を立つ
「ごめん、沢村さん。あの………」
「課長に私のプライベートは関係ないじゃないですか。失礼します。」
席を探す女子社員に「ここ開きます」と声をかけて食堂を出ていった。
「…………しまったなぁ、もしかして怒らせたかなぁ」
頭を掻きながら立ち去って行く万由を見つめる後藤
「まっ仕方無いですよ。一番痛いとこ突いちゃったんで………」
平気な顔してB定食を頬張る歩美
「……………やっぱり沢村さんって、その慧斗くんを?」
「思いっきり片想いです。もう小さい頃かららしいですよ。」
ガクンッと肩を落とす後藤
「あっちも、どう見ても彼氏みたいだったけどなぁ………俺、睨まれちゃったし」
それを聞いて、歩美が深い溜め息をついた
「そう見えるのが問題なんです。何て言うか、堂々と浮気してるみたいで。実際には万由とはアッチの関係はないみたいなんですけどね……………」
「…………え? あ、そうなの?」
その一言で万由の経験値が分かってしまった
「恋愛ベタですから、押したら引かれますよ。」
「……………肝に命じときます」