君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「ま、待って後藤さん別に大丈夫だから………」
後藤の腕の中で見上げてそう言ったのだけど
「一人に対してこんな所でなんだよ。 聞きたい事があるなら俺に聞けばいいだろ………」
目の前にいる私を敵視していると思われる女子達を真っ直ぐ見ながら落ち着いて諭しだす
「大勢で詰め寄って、この状況は明らかに虐めだろ?」
いやいや、本当に全然酷いこと言われてないし
「万由と俺の事は二人にしか分か…………」
もういいからっ!っと言葉が出る前に後藤の口を押さえた
「虐められてないっ!」
私の声と行動に会議室内の空気が一瞬止まった
「ちょっと会社で有名人の後藤さんの話が聞きたいから色々質問されてただけだし、ただの女子トークの延長ですって…………
後藤さん、勘繰り過ぎです。」
「………それにしたって俺に聞けば」
万由に口を押さえられながらそう言う後藤に、結構軽快に言葉が出てくる
「本人に聞いたら女子トークになりません。微妙な楽しみは男子には解りませんよ」
「……………」
後藤さんに肩を抱かれながら見上げ口を押さえて叱りつけるこの様子に、ポカンとする人もいれば、
「ぷっ」と吹き出しクスクスと笑う声も聞こえてきた
「女子トーク?」
「そうです。みなさん私のお友達です。それより今日は会議で遅いんじゃなかったんですか? 終わったんですか?」
肩の手も外し、口を押さえた手で胸を押し出し間を取って頬を膨らます
「いや、会議は休憩中で………」
「じゃあもう戻ってください。」