君が好きになるまで、好きでいていいですか?


たぶん万由の言った事に半分は納得していないだろうけど、ここは言われた通り戻る事にした後藤

「…………分かった。万由も気を付けてかえって」

「はい、お先に失礼します」

見上げてニッコリ笑顔を見せる


他の女子達にも「お疲れ様でした」と言って、後ろ髪引かれながら戻って行った



「…………なによ」

万由と後藤のやり取りに口をへの字に曲げて睨み、何も言わずに身体を翻す山吹薫

扉を力一杯振り上げてバタンッと音を立てて会議室を出て行った


「あれは納得すると言うより、悔しくて仕方無いって感じね。また父親使って何か仕出かさなきゃいいけど………」

ちょっとぉ………怖いこと言わないでよ桜井さん


この後は桜井さんの「解散しましょ」の一言で、あっさりこの女子会議は終了した



……………やっぱりこの人がボスなんだ


「…………」

「万由、帰ろっか。」

「…………うん」


そう言えばなんか違和感があったなぁ後藤さん
走って来たからかなぁ…………ちょっと顔が熱かったような…………

口を押さえた時に私の手より高かった体温

「あっ?!」

いや、それよりもあの二人?!

「高石さんと桜井さんは?」

「もう行っちゃったわよ。」


前を歩く歩美さんが顔だけ向けてそう言った

「何か用事だったの?」

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