君が好きになるまで、好きでいていいですか?



「じゃあ今度は万由の番」



そう言われて顔を上げると、後藤は繋いでいた手の指を絡ませてそれを自分の唇に当てた


「あっ」

「…………教えて、昨日本当は何言われてた?
会議室で」

「…………っ!」

後藤の手のひら自体と、手の甲の熱のある温かさが伝わる


「嫌なこと、言われたんじゃないか?」

そう言う後藤にふるふると頭を振った

「…………言われてないよ。本当に後藤さんと付き合ってるのか聞かれただけです。歩美さんだっていたし、高石さんも来たから……」

「………ふぅん」

目を細めてジッと見つめられると思わず逸らしたくなる

「ただ………」


「ん?」


「ただ私が後藤さんの相手ってゆう事に納得がいかないんだと思います………」

俯いたまま、ははっと自嘲する様に笑って見せた

「もっと、山吹さんとか桜井さんみたいな美人さんだったら問題無いのかなって………」


「……………」

さっきの元カノさんだって…………………
あんな人なら釣り合いが取れただろうに


 ポスッ

え…………

右の肩に温かな重みがかかり、ふわりと癖のある髪が万由の頬を擽った

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