君が好きになるまで、好きでいていいですか?

思わず笑ってしまった

「くっくっ……でも長持ちしますよね」

土鍋を軽く洗ってコンロにかけながら、
そう言った万由の頭にフワリと後藤の手が乗った

「何か手伝おうか?」

その手はやっぱり微妙に温かい


「休んでくれると有り難いんですが、仕事するんですよね、後藤さんの事だから。構わずやってください、後から私も手伝いますから」


「…………それはヤバいだろ。また抱き締めたくなる」


「っ!!」

肩を上げて一歩身構えながら後藤を見上げる


「仕事してください」









「旨いっ」



これ、お握り解して作った本当にただの即席レタス玉子雑炊なんですけど………
これで果たして料理と言えるのか…………?

それでもパクパクと掻き込むように口に運ぶ

「………食欲無かったんじゃないんですか?」


雑炊を作っている間に、万由の持ってきた書類で作業をしていた後藤
目の前で真剣に仕事してるとこ、初めて見たかも

「………仕事、まだかかるんですか?」


結局、雑炊を食べた後、片付けは自分でやるからと帰るように促された

後藤さん、絶対まだ熱があるのに………


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