君が好きになるまで、好きでいていいですか?
6年前の彼らの話
「歩美さん、今夜はまた気合い入ってますねぇ。合コン?」
1ヶ月後にやって来る誕生日に、また一人だという現実を回避するため、出逢いを求めているだけだと、念入りにボディチェクをする歩美さん
「そもそも、歩美さんモテるじゃない。わざわざ合コンなんか行かなくたって………」
この間だって、経理部の年下君に食事に誘われてたし、二人でご飯食べに行った時だって、大学生風のイケメンに声掛けられてたじゃん
「今日行く合コンは全員が30代の証券マンなの。その辺の取りあえず仕事してますって奴等とは違うのよ。分かる?」
「……………」
要は年下じゃ嫌なんだ…………
「私にだって譲れない理想があるんだから」
歩美さんって姿形は見た目通りの年齢だし、ファッションセンスも良くてスタイルだっていいし、社交的なのに……………
どうしてだか年下に好かれるらしい
そして付き合った歴代の年下の彼氏とは、兎に角いい別れ方をして来なかったみたいだ
「私は桜井さんみたいに、身近な年下男で手を打つつもりはないからっ」
…………あ、そこもあるんだ
歩美さんと同期入社の高石さん
結構一途に同じ部署の桜井さんを想ってたらしい
あの通り桜井さんは後藤さんに一途だったから、振られるたびに慰めてたみたいなんだけど
「もともとノリが軽いから、あの男だけは理解出来ない」
そう言う歩美さん
歩美さんとの方がいい感じだと思ったのに
今では社内で注目のカップルになっている
高石さんと桜井さん