君が好きになるまで、好きでいていいですか?
かつて佳樹との同棲を始めた時と同じように、何となくお互いのスケジュールを把握して、作れる時に食事の支度をする
たまに二人で外に食べに行ったりして
佳樹とは、いつ頃までこんなわくわくした気持ちを持っていただろうか
「帰りたくなったら言って、返したくないけど」
「私に手を出したりは、しないんですね」
ここに来てから1週間、眠る部屋は別々
「君はまだヨシの彼女だからね」
「…………最近、佳樹は?」
会社で顔を合わすはず、ここに私がいる事も知っていると思う
「気になる?」
「一応彼女だし………」
「じゃあ教えない」
「はぁっ?」
なんだ、この会話?
この人は本当に読めない。
でも、だからって見透かされるのはいやだ
「私は、佳樹とやり直すつもりはないよ。だってもう、変わりたいから。そうゆう事分かんないでしょ、私は先の事考えてるから」
「なるほど………じゃあこの先はどうなるの? 一花ちゃん」
「取りあえず、一花でいい。ゆうさん」
もう佳樹を通してこの人を見るのはやめる
自分で思うようにしてみよう…………
こうして、私はゆっくりと目の前のその人の首に腕を絡ませて
そのまま由さんに手を出した