君が好きになるまで、好きでいていいですか?



「と、まあそうゆう事で、今は由さんのとこに住んでるって訳」


「……………」


「タブらかしたって事ですね。要は」

女二人で語る話にカウンター越しからチャチを入れてきた

「人聞き悪いなぁ。客の話に入ってこないでくださいよ、翔さん………」

この前後藤に連れてきてもらったショットbar 【Room 】で、この前と同じカクテルをすでに二杯飲み終わっていた万由

一花の言いぐさにツンと無視した翔さんが、何も言わずこの間と同じようにジンジャーエールをくれた。


「ありがとうございます。」


「いいえ」と万由には笑顔を向ける

あぁそうか、翔さんは主任が好きだったんだ
じゃあ一花さんは翔さんの恋敵?


「…………」


今の聞いた話からプラス新見環さんを入れて、さらに翔さんを加えたら……………

どれだけ浅野主任って神なの?!

ジンジャーエールを口に含みながら、改めて一花の頭から足の先まで視線を回してみた

後藤さんと同じ年だってことは、30歳ってこと?
見えない見えない………今こんなに綺麗なのに、6年前なんてどんななの?!

しかも、高校から7年って…………二人並んだら最強じゃんっ!

あ……そうか、でもって主任と取り合ったんだこの人を

え、えっ?! 3人並んだらファッション雑誌の表紙もんだよ…………


「万由ちゃん?」


視線を上に下にと向ける万由が思わず深い溜め息をつく

それに後藤さんのそんな過去話、私が勝手に聞いてしまっていいんだろうか…………?

…………7年間

後藤さんは一花さんと付き合ってたんだぁ……


「万由ちゃん、佳樹って大変でしょ~あれ」

「あれ?」

一花がニヤリと目を三日月のように細め含み笑いをする

「ほらぁ、あいつってある意味変態だからさぁ~」

万由が首を傾げる

「……………変態って?」

眉を歪ませて訊き返す万由に、一花が拍子抜けした様子をみせる


「あ?もしかしてまだだったりする?エッチ」


「エッ………っ?!」
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