君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「で、何だよ話って。」
さっさと終わらせろと言わんばかりの後藤
「大体、この前だっていきなり家に来て、もし休みじゃなかったらどうするつもりだったんだっ?」
「ほらぁ合鍵持ってたから、部屋に入って待ってようかと思って。まさか風邪でいるなんて思わなかったから」
「それ、確実に犯罪だろ…………」
額を手で覆い呆れる
「彼女までいるとはねぇ。かわいいわねぇ万由ちゃん」
「…………っ」
ますます不機嫌になりそうな後藤に、あわてて謝る一花
「私ね、由さんと付き合う事にしたの」
「知ってる、聞いた」
「でね、この際だから6年前の子供の事も由さんとの事も、親に言ったの。」
シャンパングラスを揺らしながら話す一花に、肘を着いたまま飲み干したジンのグラスにおかわりを頼む後藤
あの頃、俺は既に一花の父親に殴られて絶縁されているんだ。
かえって混乱させるだけだろ。そもそも先輩の存在は話してなかったんだから
「今度二人で実家に挨拶に行こうと思う」
「……………」
「佳樹、許してくれる?」
一花が眉をひそめて顔を覗き込んできた
……………俺はどんな表情をしていたんだろう
「俺は関係ないだろ」
そうゆう後藤に、ゆっくりと顔を振る
「私ね、ずっと佳樹に甘えっぱなしだったから…………由さんの事だってあの頃は勝手に佳樹のせいにしてたし」
「もう昔の事だって言ってるだろ。」
溜め息をついて一花から目を逸らした