君が好きになるまで、好きでいていいですか?

少し経つと二人の話は終わって、今度は一緒に4人で飲みだした


久しぶりに3人揃ったと、学生時代の話や万由がいるため会社の話、それと店での翔さんの話が加わって、静かでそれほど広くないショットBar が少し賑やかになった


はしゃぐ一花さん

BOXシートの隣で「万由ちゃんかわいい~」っと絡み付いてくる


「一花、飲み過ぎ。その辺にしとけ」

後藤が一花の持つシャンパングラスを取り上げる

「もうっ、相変わらず佳樹はそぉゆうとこうーるーさーいィー」


ははっ、一花さんもう結構酔ってらっしゃる

「一花っ………」


後藤の取り上げたグラスを取り戻そうとする一花を、制止するように後藤の持ち上げたグラスを逆に貰い受ける浅野

そして、それをそのまま自分の口に運ぶ


「あー…………」

飲み干しながら隣の一花の頭をポンポンと撫でる


「そろそろ帰るよ。一花、ほら水貰って」


そう言って軽く一花をあしらう

「…………うん」


自分で酔いが回っている事を自覚したのか、素直に水を飲んだ後立ち上がる。
足に力が入らないのか、その瞬間へなへなと倒れだす一花

「………ありゃ?」


「ほらっあぶない!」

つい、手を伸ばす後藤
でもそれを遮るように、浅野が一花を救い上げる

「クツクッ……ほら、しっかり一花」

支えられながら浅野に寄り掛かる

「んふふ……ごめん由さん」

「……………」


その様子をみたら、とても最近付き合いだしたばかりの二人だとは思えない


一花を抱き支えながら咄嗟に手を伸ばした後藤に視線向けた浅野

「今日は悪かったな、ヨシ」

ニッコリと笑顔を向ける


「…………いや」


「………………」


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