君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「もう一回電話してもいいですか?」
すみませんと言ってもう一度彼から離れた
コールが三回鳴る内に電話に出てきた慧斗
『万由?』
別れてそんなに経っていないのに、懐かしく感じる慧斗の声
「慧ちゃん、実はさっきうちのお母さんから電話があって…………」
後藤さんも近くにいるし、兎に角すぐに手短に用件だけ伝えよう
『分かった、ありがとう。万由、今外からなの?』
「……うん、飲みに行った帰りだから」
『じゃあ、そのままそこに居て。俺今からすぐ支度して会社の車借りて来るから一緒に行こう』
「えっ!!」
ちょっと待って、私一緒に行くなんて言ってないじゃん
『おばさんの事だから万由にも顔出せって言ってただろ?ついでだし向かえに行くよ。会社の近く?』
「そっそうだけど、でも…………か、会社の人も一緒にいるしっ」
『……………ふぅん、じゃあ俺が行くまで駅で待ってて、20分くらいで行くから』
ダメだって言う前に電話を切られた
えぇぇっーー!!
どうしようここに来るの?!
駅まで歩いて10分くらいだけど、後藤さんいるし…………
って言うか、凄く普通に言ってきたんだけどぉ
「……………」
「万由、電話終わった?」
またしても携帯を握り締めたまま考えていたら、後藤が顔を覗き込んで来た