君が好きになるまで、好きでいていいですか?
万由の隣で呟くように口を開いた後藤
「そっか……それで一緒に帰ってたんだな」
見上げるとさらに上にある後藤の表情が分からなくなった
さっきと違う、不安と苛立ちで心臓が落ち着かなくなっていく
私は慧ちゃんと別れた経由すら後藤さんに話てなかった………
「か……彼が先に、始めに裏切ったんです。
元カノとは別れたって言ったのに、ずっと続いてて……………だから別れたのに。
今さら今度は本当に別れたからって………」
こんな話がしたい訳じゃないのに……
これじゃただの言い訳だし
「やり直そうって言われたの?」
「…………っ」
後藤にそう言われて、思わずグッと息を飲んだ
「…………言われました…………でもっ」
「じゃあ……ゆっくりと答えを出せばいいと思うよ」
答え…………?
「なんで怒らないんですか…………?」
聞くな私…………そんな事
そんな答えは聞きたくない
「付き合ってほしいって、無理を言ったのは俺の方だからね。それにまだカレカノじゃないだろ。選択肢は万由次第だよ」
無情にも、一番のクライマックスの花火が目の前いっぱいに広がって消えていく
パラパラと、光っていたはずの物と一緒に落ちて消えていく感覚を残したまま
「とりあえず、無理をさせた関係を戻そう」