君が好きになるまで、好きでいていいですか?
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「え……………後藤さんの出張って、山吹さんが同行なんですか?」
昨日、あのままあれ以上の話ができずに気まずいままで送ってもらった
後藤さんだって、表情隠したままで笑顔なんか見せるから
『ごめんな、話なんかしてたから花火しっかり見られなくて』
家に帰ったってほとんど眠れなかった
「かなり強引に同行を決められたらしいのよ。
山吹常務関係の取引先だからって、急にアシスタントとしてだって…………
後藤課長から聞いてないの?沢村さん」
「はい……………知らなかったです」
私の方に出張の話を聞く余裕がなかったかも
「本当、やり方がえげつないよねぇ、山吹薫って」
「…………」
「ところで…………なんで桜井さんがここにいるの?」
後藤さんの出張で、私は歩美さんと企画部のミーティングルームでお昼をとっているはずなんだけど
なぜかそこには桜井さんがいて一緒にお弁当を開いている
「…………」
「なによ、情報提供でしょ。営業部じゃあ大騒ぎなんたから」
「そんなことわざわざ話すために、ここでお昼拡げないで下さいよ」
あきらかに毛嫌いしている歩美さんに対して、動じない桜井さん
「これだからリア充って奴は…………」
ボソリッと歩美さんが呟く
いつの間にか高石さんとまあまあいい感じの桜井さんは、後藤課長の取り巻きリーダーを脱退(?)したらしく、ただの習慣的愚痴を溢しにやって来たのだ
っていうか高石さんの手前、後藤課長の話は余りしたくないとか…………ちょっと可愛かったりして
「元々行くはずだった男性社員の代わりだから部屋だって隣同士だし、完全な確信犯よ。それに素直に従う課長も課長だしっ」
3日間二人っきり?
「……………」