君が好きになるまで、好きでいていいですか?
『沢村万由さん、俺と付き合って下さい。』
初めは何とも思わなかったのに
『これからは沢村さんにだけする事にすればいいのかな。』
なんで私なのか理解できなくて、遠ざけたりして
『俺は好きだよ。沢村さんの全部、好きだから………って俺に言われても意味ないかぁ』
どうしようもない気持ちの背中を押してくれて
『俺にしろよ、あいつより泣かさない……』
酔って言われた事なのに、ドキドキさせられた
『なぁ…………俺と付き合ってみないか?』
そう言われて初めて貴方に興味を持った
『他の人には俺たちがどんな付き合いしてるかなんて分からないんだから、そうゆう事でいい?』
なんだか楽しくなってきた
『クックッ…………かわいい』
意地悪なのに、そうしてくれる事が嬉しくて
『どうしてだろうね。万由より美人だったり、スタイルが良かったりする女の子は、
沢村万由じゃないからかな』
だんだん目が離せなくて、もっと知りたくなった
『…………キスしていい?』
私もそうしたいと思った
なのに、私がふらふらしてるから
『じゃあゆっくりと答えを出せばいいと思うよ』
急に突き放された
『とりあえず、無理をさせた関係を戻そう』
気持ちはとっくに白紙になんて出来ない状態だって分かってるのに
なにも言えなかったんだ
「主任っ! なに沢村さん泣かしてるんですかっ?!」
残業中の社員が机で向き合う万由と浅野の様子に大声を掛ける
「万由ちゃん? ええっ?僕、何か泣かす事言った?!」
急にポロポロと泣き始めた万由に、浅野もビックリしていた
「どうしよう、主任………私、後藤さんに嫌われちゃいましたぁぁ………」