君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「一花………?」
電話口の一花の様子がおかしいのか、眉を歪ませる浅野の表情に、万由も不安になった
どうしたんだろう…………?
「………どこの病院?今からそっちに行くから、落ち着いて一花」
自分の事より浅野の電話に聞き耳をたてる
病院?
「主任、一花さんどうかしたんですか?」
電話を終えた浅野にそう訊いてみると、よく要領が得ないようで不安そうに首を傾げる
「ごめんね。このところ具合が悪くて、病院にいったみたいなんだけど……」
とにかく仕事を片付けて行ってみるよ、と動揺を隠せない浅野に、「私も一緒行きます」と言って、同行する事にした
近くの総合病院に、二人タクシーで乗り付けた
「一花っ!」
時刻は6時半を回った頃、病院からの出入りは疎らながら、そこの待ち合いの長椅子に座る一花を見つけた
「……………由さん」
看護士の女性が隣について彼女に付き添っていた
あれ?ここって産婦人科だけど………
「旦那様ですか?」
そう言う看護士に、とりあえず話を聞いた