君が好きになるまで、好きでいていいですか?


後藤課長の事なんて、全然なんとも思ってないのに。

だって…………

「私は…………私もずっと、ずぅっと慧ちゃんが好きだったのに」


気付いてたでしょ。小さい頃からだよ………


どうしよう
のどが熱くて、声がでない

もう一度慧斗の唇が堕ちてきて、今度はゆっくり目を閉じた


映画はすでに終わっていて、駐車場には街灯がポツリとついている


慧斗に頭を預け、暫くその体温を感じた


「私、慧ちゃんの彼女なんだ………ふふっ」

なんかふわふわする…………嬉しいな

この時は、まだ 思いが叶った事が、ただ嬉しくて嬉しくてしかたなかった




その後、そのまま家に送ってもらった。

「金曜日は、あいてる?」

帰り際、慧斗がそう言うと、少し眉をひそめた

「残業ありそう?」


「う~ん………でも多分7時には終われそう」
営業部の手伝い最終日だし、まさかそんなには遅くならないだろう…………

「じゃあ、金曜日に」

「うん」

シートベルトを外し、車の助手席のドアに手をかけると、もう一度慧斗が腕を引いた

「万由、金曜日…………うちに泊まる?」


「えっ?!」

……………それって

「土曜日予定がなければなんだけど…………」

「あ…………うん、大丈夫」


「じゃあ、また電話する」

「…………っ」


車が発進するのを黙って笑顔で手を振った


部屋に戻ると、バフッとベッドにダイブした

「……………っ」

バタバタと手足を動かして悶え状態

嬉しさと、熱が出て身体が浮き上がるくらいのドキドキが膨らむ

はっ!!!  金曜日!!!

どうしよう どうしようっ……………!!!




「……………眠れそうにないよぉ」





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