君が好きになるまで、好きでいていいですか?

「慧ちゃんが言ってるのは見た目でしょ。幸せそうに見える家庭が作りたいって言ってるみたい。そんなの私じゃなくたって出来ると思う」


って言うか、そんな慧ちゃんの思った通りの家庭が作れるとは思えない

私からみたら、既に和音さんがいた慧ちゃんの部屋の方がそう見えるんですけどっ


「和音さんがほっとけないって、言ったのは慧ちゃんなのに、それなのに彼女を手離していいの?」


「……………っ」


「自分と価値観が似てて、仕事との相性もいいのに?私と一緒の時だって和音さんからの電話には出て、彼女のとこ行っちゃうくらい好きなくせに…………」


「万由………」

ああ………なんか思い出したら涙でてくる

「二人の難しい事なんて分からないけど、和音さんだって私に思いっきり嫉妬してたんじゃんっ」

慧ちゃんの部屋でこれ見よがしに自分の存在を見せつけてきて………


「だから………だから別れたのに」

私の何十年かの恋心を、ずたボロにしたくせに



ふざけた事いってんじゃないっつうの!



「親が嫌いなら同じにならないって、自分は違うって証明すればいいじゃない
慧ちゃんが和音さんの考え変えないで誰が変えてあげるの?
誰が産めって言ってあげられるわけ?!
…………いいわ、もし二人が育てられないんだったら私が育ててあげるから!」


一気に言ったら、いつの間にか涙が流れ落ちる

なんか無茶苦茶な事言っちゃったけど

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