君が好きになるまで、好きでいていいですか?
万由の勢いに、なにも言えないまま目を見開いている慧斗
はあっ…………と、大きな息をついて目の前にあるコップの水をとりあえず飲み干し、ちょっと気持ちを落ち着かせ、また視線を慧斗に向けた
「…………それくらいのことが出来るくらい私も見ててあげるから、二人だけで考え込まなくて他に協力求めて子育てしたらいいんじゃない…………かなぁって」
「………万由」
「グチグチ言ってる慧ちゃんは、慧ちゃんらしくない………」
思いの外、出てきた涙をごしごしと擦り取って鼻を啜る
無責任な事言ってるかもしれないけど……
やっぱり、赤ちゃんのエコー写真を見ていたあの和音さんが、慧ちゃんの子供を要らないなんてことないと思った
「万由、ごめんな…………ありがとう」
慧斗が静かにそう言って、頭を下げた