君が好きになるまで、好きでいていいですか?

「それより先にヨシに言わなきゃなぁ」


「…………えっ? まだ一花さんの事後藤さんに話してないんですか?」

主任のことだから、もうとっくに話してるんだと思ってた

「あれで、ヨシってやたら真面目だろ?絶対怒られそうでね~」


怒られるって、お義父さんより怖いの?


「クックッ……なんで後輩なのに」

主任の困り顔に、思わず笑ってしまった


「そうだ、万由ちゃん今度うちに来ない?
一花の気分転換になるし、ヨシと一緒に。
あいつに話す良い機会だし………」

ニッコリ嬉しそうにコーヒーを口に含みながらそう言ってきた主任

「ああ……………」


でも、さすがに後藤さんが私と一緒には……

ははっ、と俯きながら視線を叛けた

「私は、また別の機会に………何かお祝いとか送りますよ」

そう言いながら、入れ終えたコーヒーメーカーのフィルターを洗う

不自然に話を逸らす万由に、浅野が首を傾げる


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