君が好きになるまで、好きでいていいですか?
6人くらいの男ばかりで飲みに来ていたみたいだ
「あら、営業部って忙しくて仕方無いんじゃなかったの?」
「ははっ、まあ忙しいのは主に後藤課長だよ。さすがに毎日残業続きはきつい……」
やっぱり忙しかったんだ………
「ヤローばっかりより、こっちの方が興味ある話してるよな。こっちに居ていいか?」
そう言って歩美の隣に座る
「ダメですっ」
「「へっ?」」
二人の目の前で万由が高石を睨みつける
「なんで高石さんは歩美さんと仲良くするんですか?桜井さんと付き合っているのに」
「仲良くって、万由………酔ってる?」
歩美が万由の顔を覗き込む
「酔ってません。おかしいじゃないですか、なんか歩美さんに気があるみたいに、だから歩美さんだって………」
「何おかしな事言ってるのよ。高石はただの同期だから。元々桜井さんが好きなことも知ってたしね」
本当に訳の分からない事をいきなり言い出すんだからと笑いだす
「…………」
「本当に…………?」
「本当に」
疑るように万由がジッと見つめるが、動じない歩美
「万由はそんな事言ってる場合じゃないでしょ?自分の事でいっぱいいっぱいなのに、大体万由のために今日は飲みに来たのに」
逆に万由を見つめ返す
「ううっ………だって……」
「だってじゃないっ!」
どうしても歩美には言いくるめられてしまい、シュンとして席を立つ
「………トイレに行ってきます」