君が好きになるまで、好きでいていいですか?

そんな後藤課長を横目に、休憩に行けと言われが、さすがにここで休憩する訳にも行かないので、食堂に行こうと席を立った


「告げ口なんて、最低~」


営業部を出ようとした時、桜井亜沙美とすれ違いさまに小声で言われた


「……………」



何なのあれ!? 完全にいじめじゃん……


腹立たしさと、情けなさでいっぱいだった

昼休憩が終わっているので、会議などで食べそびれた人達がチラホラ、コンビニの袋を持って遅い昼休憩をとっている


はぁっ…………と、机に突っ伏した万由

時間がきたらまた戻らなきゃ………………



「あれっ? 万由ちゃんさぼり?」

ビクッと顔を上げると、ニコニコと笑顔で近づいてくる浅野主任


「いえ、休憩とらなかったから…………」


「うそうそ、万由ちゃんが仕事サボるなんて思う訳ないじゃん。どうしたの、トラブル発生?」

「………………」

俯く万由の顔を覗き込んできた

「ただ、ここのところ昼休憩まで作業してただけです…………」

「ああ、それで歩美ちゃん元気なかったのか。お昼一緒じゃないの?喧嘩した?」


「えっ……」

そういえば、あれから歩美さんと会ってなかった。昼も、帰りも忙しかったし…………

嗚呼…………もう、早く戻りたい


「そう言えばさぁ、万由ちゃんの評判が営業部でよくってさぁ………移動させてくれないって懇願されたんだけど、どうする?」


「え"っ!!嫌です。」

全身全霊で断固拒否します

浅野主任は、何やら悟ったようにニンマリと含み笑いを見せる


「分かった。断っとくよ。歩美ちゃんと離れたくないもんね。企画部にももちろん万由ちゃんは必要だし」

そう言って隣に座る万由の頭を撫でた



「第1営業部って言ったら普通女の子達が喜んで行きたがる部署なのに」


「…………?」

なんで、あんな所……………
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