君が好きになるまで、好きでいていいですか?

「エリート独身男性の宝庫だろ、後藤課長筆頭に、って言っても万由ちゃんは彼氏持ちだから関係ないか」


「……………彼氏出来たの昨日ですけど」

昨日の事を思い出すと、ちょっと気持ち上がる。だからつい口が滑った

「へっ? 昨日? いやいや前から居たでしょ?!
入社当初から携帯メール来るたびにニコニコして、お昼も楽しそうに電話してたでしょ、
みんな男だって、数少ない企画部の独身社員が諦めてたのに…………」


なんか、セクハラっぽい言い方


「ずっと片想いだったんです。昨日想いが叶って…………」

なんで私、こんな話浅野主任に話してるんだろ


「そっかぁ~。おめでとう。」


「…………ありがとございます」


浅野主任は、見掛けはチャラい32歳だけど、人を使うのが上手い。厳しさもあるけど、基本的には誉めて上げてチャレンジさせる。

さすが我がAsano  テクノロジー科学工業株式会社社長の甥っ子

社長に子供がいないため、一応次期社長候補なんだけど、あるトラブルで企画部主任に降格させられたらしい。

「私、そろそろ戻らないと、主任はまだサボってていいんですか?」


「……………君もだんだん歩美ちゃん化してきてるね」

「おっ………社内結婚したいランキング男No.1だ」

主任が、食堂の出入り口に来た後藤課長に視線を向けた

「あ………」

万由達を見つけた課長に主任が腕を上げて呼んだ

「後藤もサボり?」

「…………サボりって、作業が一段落したから、お昼を………沢村さんはちゃんと食べた?」

コンビニの袋からカツ丼弁当をだした。

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