君が好きになるまで、好きでいていいですか?

そう言われて、うーんと少し考えて、


「まあね…………だてに合コン三昧で婚活してないから」


自分で言っててちょっと虚しいけど





「高石さん、そろそろこっちに戻ってこないとヤバいですよ」


「へっ?」


いきなり声が掛かって、そちらを振り向くと

ニコニコして近づいてきた北川が、二人に携帯画面を見せた


『高石さん浮気してますよ~♪』とコメントが書かれた写メ
さっきの高石と歩美、万由も一緒に楽しそうに写っている


「なぁっ?!」


「これ、桜井さんに送っちゃいました」

北川がそう言った途端、高石の携帯が鳴った

「げっ?!」

着信名を確認して、顔が青ざめる高石



きっと桜井さんからだ


まるで取引先とでも話しているように、ペコペコて頭を下げながら電話を持って席を離れて行った


「…………なんか悪趣味ね」

なにげに前の席に座る北川に呆れた

確かひとつ年下の、見るからに草食男子
童顔の北川君


「木原さん一人ですか? こっちで合流して一緒に飲みませんか?」

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