君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「へっ?今日はお弁当あるんだけど………」
そう言って今朝ちゃんと作った自前のお弁当を見せる
いつも、部署内にあるミーティングルームで食べるはず、ランチに出る時は前に約束してくれるし、食堂に行くなら朝決めて、早く行かないと、場所がなくなってしまう
「それは、晩御飯にしなさい。今日は外に行くわよ。」
強引に首根っ子掴まれて連れていかれた
「で? 何があった?」
「……………っ」
その何もかも見透かしたような目がニヤリと甲を描く
「わさわざ会社の人が余り立ち寄らないとこまでランチに来たんだから、あの名刺どこで手に入れたか吐きなさい。」
「あ……………あれですか?」
なにも、こんなに遠いカフェまでこなくても………
「何て言うか…………朝、告白されたみたいな?」
ちょっと遠い場所なため、時間内に食べないと、遅くなるよ歩美さん
「……………」
なのに歩美さん、手が止まってます
「万由、後藤さんの事知らないの?!」
「しっ知ってるよ…………見たことある程度だけど」
そう言う万由の前で盛大な溜め息をついた
知らないなら教えてあげるっと、もう食べてるパスタそっちのけで喋り出した。
うちの会社は、ECOを売りにお客のニーズに合わせて整備器具やシステム機械、ハードウェアなど、自社製品から、他社とのパイプラインまで担うベンチャー企業で
ここ本社とは別に各種地方に工場等のほか、研究所や開発所もあり、同業者からも一目措かれる上場企業である。
その中で、第1営業部は最も会社の売上高の中心部署であり、そのうち最年少課長である後藤佳樹は、もちろん注目人物らしい
それに加えてあの清淡で整ったルックスに無駄のない体型、身長は186㎝と人より頭が高い
社内で彼を狙う女子社員は数知れず
社内結婚したい男 No.1
社内抱かれたい男 No.1
「…………抱かれたいって、そんな簡単に」