君が好きになるまで、好きでいていいですか?
出先から帰ってすぐ食べるつもりだったんたろう、温めてあったのが冷めて水滴がついている。万由がやってた会議資料を先に終わらせたんだ…………
「私は、もう食べてましたから。課長、すみませんでした。時間ないですよね」
課長の急いで食べてる様子にちょっと心が痛む
「いやいや、悪いのはこっちだから、沢村さんの状況を把握してなかったのは本当に申し訳ない。」
謝り合う二人に浅野主任の眉があがる
万由の隣に座る後藤を万由の両肩に手をかけ、後ろから顔をだして見据える
「…………なになに、やっぱりなんかトラブってたの?後藤ぉ万由ちゃん虐めないでくれるかなぁ、うちの大事な綺麗所なんだから」
「万由ちゃんって………」
浅野主任の肩に置かれた手を払い除けるように、立ち上がった
「あのっ もう仕事に戻ります。」
「あ、ああ……沢村さんのやる事は林さんに言っといたから。今日は残業なしでね」
「…………はい」
林さんは私の同期の営業事務の子だ。営業部で唯一喋りやすい人だ
少しホッとして、営業部に戻った
「先輩…………彼女には手を出さないでくれます?」
カツ丼弁当を食べながら静かに浅野にそう言う後藤
その言い種に目を細め、少し口角を上げる
「手を出すなんて、人聞きの悪い。彼氏持ちだろ。それもホヤホヤだって」
「えっ………?」
後藤が、視線だけ浅野に向けると、浅野も覗き込んむ様に顔を近づける
「昨日、想いが叶ったってさ」
「……………」
後藤の食べる手が止まる
「お前は、俺と違って人の物に手が出せない体育会系だもんなぁ」
楽しそうにニヤリと頬杖をついて後藤を見る