君が好きになるまで、好きでいていいですか?
頭を持ち上げてそっと見上げると
「…………なんでそんな嬉しそうな顔してるんですか?」
「万由…………かわいいから」
「……………っ」
頭から額に、目と耳元へ頬にキスされて、そのまま唇に辿り着く彼の唇を………
待ってる自分がいる
ダメだ……………もう私が完全に堕ちている
「ん………っ」
外から聴こえるはずの激しかった雨音さえ、もう遠く
ゆっくりと、キスされたままソファーに沈められる
「あの………」
このままそうゆう流れになる事はわかってる
「あの、ちょっ………」
耳元から首筋へつたっていく後藤に、身体を捩り少しその胸を押した
「いや?」
後藤の低く色気のある声が落ちる
「違うんです…………けど、あの私」
言って良いものなのかとも思うんだけど
「万由?」
「経験がないわけじゃないんです、でも………」
「ん?」
組み敷いて上から見下げてきた後藤と視線を合わせられない
「でも、一回だけで…………」
「……………は?」