君が好きになるまで、好きでいていいですか?

「だから、よく分からなくて…………その」


「一回だけ?」


慧ちゃんと初めてした後は、そうゆう機会がないままだったから…………

どうしよう………引かれたかな
実際24歳で男性経験一回だけって

「……………」

呆れられたんじゃないかと恥ずかしくて顔を逸らすと、スッと万由の上から退いた後藤

「え……」


次の瞬間ふわりっと身体が浮いた

「わっ?!」

ソファーから後藤にお姫様抱っこされる

「え、えっ?」


「じゃあ、ちゃんとベッドでしないと」

ぱふんっとスプリングの上に優しく降ろされた


ギシッ………と、ベッドが軋む

「怖い?」

その、はにかんだ笑顔に怖さなんて感じない

両手を彼の頬に伸ばし、自分からまたあの啄むようなキスをした



「万由はまだ、キスが下手だな」


そう言われ、今度もまた深く絡め取られ、体勢が崩されるようなキスが堕ちてきた



「万由……」



優しく名前を呼ぶ声とたくさんの愛撫に、
恥ずかしさで身体が捩る


「ーーあ…………んっ」

吸い込んだ息が、上手く吐き出せない


「大丈夫だから……」と何度もそう言って
身体をつたいながら戻ってくる後藤の指と舌に翻弄させられ



のどに詰まっていたままの「好き」が吐息と一緒に溢れ出す





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