君が好きになるまで、好きでいていいですか?

「そっか………」


ポンポンと撫でられる頭を持ち上げて、後藤に目を合わせた


「後藤さんも、こんな感じでした?一花さんと主任と飲みに行った時」

あの時は、なんとも複雑な顔してた後藤


「慰めようか?」


そう言って両手を広げる後藤に、苦笑いを返しながら


「…………もう、いっぱい大丈夫です」


改めてさっきまでの行為が急に恥ずかしくてなって、さりげなく背を向けた




「まだ足りないよ……」




「え?」

向けたその背中にキスが堕ちてくる


「あ……」


叛けるようにビクッと背を伸ばし、そのくすぐったさにに、思わず声が漏れる



「一回だけなら、もう一回しないと上書ききならないだろ」


「な………何のことですか?」


後ろから腕が延びて首筋にチクリと吸われる痛みが走る



「まだ、トントンだから今度は俺の印を付けないと………」



しるし? まだ、トントンって………?



「だ、誰と張り合ってるんですか?!」



< 312 / 333 >

この作品をシェア

pagetop