君が好きになるまで、好きでいていいですか?


角度を変えて見てみれば、確かに赤い華が二つ


蚊に刺された事になんか出来ない代物だ
これじゃあ制服着たって見えてしまう


「あ、制服に着替える時も気を付けないと、背中にも何個かついてるかも………」


「何て事してくれるんですかっ!」


首筋のをファンデーションで塗り潰して誤魔化しても、うっすらと分かってしまう…………


うぅ、やっぱり髪をおろして行くしかない………


「俺のでよかったら使う?」

後藤が差し出した男性用の整髪料


「カチカチにならないですか?」

…………とりあえず借りるしかない、けど



「なんか、これ………スースーするぅ………」




ダイニングテーブルからコーヒーの匂いがしてバスルームから覗き込んだ

「朝、食べるだろ?」



テーブルの上には美味しそうな朝食プレートが

昨日コンビニで買ったクロワッサン
レタス添えのスクランブルエッグに
マーマレードのかかったヨーグルト

「料理出来るんですか……?」


「大したことしてないよ、玉子焼いただけだし」

思わずまじまじと、その朝食と後藤を見直す

マーマレードは出張のホテルで美味しかったから買ってきたものだって


そういえば一通りの調味料も置いてあったっけ

なんたって男の人なのに、ちゃんとプレートに並べるところが感心する


「後藤さんって、やっぱりちゃんとしてるんですね………」

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